タイトル
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著者
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感想ほか
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主な著書
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十二国記
シリーズ
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小野 不由美
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間違いなく、今まで読んだ中で最も心に残る本です。
私の中の最高峰は、常にこの人をおいてありません。
緻密に構成された世界「十二国」と、
その中の人物たちの生き生きとした描写。
何よりも特筆すべきは畳み掛けるようなスピーディーな展開と、
感情移入せずにはいられないその文体。圧巻です。
騙されたと思って『月の影 影の海』を手に取ってみてください。
ただし、男性にはちと辛いかもね(笑)
…最近、講談社文庫版が発売されました。
表紙が普通(?)で男性でもお買い得ゥ
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『月の影 影の海』
『風の海 迷宮の岸』
『東の海神 西の蒼海』
『風の万里 黎明の空』
『図南の翼』
ほか、悪霊シリーズや『屍鬼』など
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壬生義士伝
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浅田 次郎
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泣いた。兎に角、泣いた。
帰りの電車内で吊革に掴まって泣いた。
侍とは、男とは、生きるとは。
その問いに命を懸けて答えた男がいた。
新撰組隊士・吉村貫一郎。
守銭奴と蔑まれ、貧乏侍と嘲られ、それでも、愚鈍なまでに、
一途に義を貫き通した彼の壮絶な生涯。
近藤が、土方が、沖田が、斉藤が、生き生きと描写されている本作、
新撰組ファンも買って損はない。
侍ってのは、格好いいもんだねぇ、生き方が。(2005.3.5)
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本紹介
(浅田次郎布教委員会より)
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眠狂四郎
シリーズ
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柴田 連三郎
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決して「正義」ではありえない狂四郎が
権力者や悪党に己の剣と頭脳のみで立ち向かう時代小説。
短編の組み合わせ、という構成も時代小説ならでは。
兎に角、「ニヒル」「クール」「ダーティ」の似合う
(その癖、見知らぬ子供には妙に優しい、と言うか甘い)
眠狂四郎は、文句なしに格好いいと思います。
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『眠狂四郎 無頼控』
『眠狂四郎 孤剣五十三次』
『眠狂四郎 異端状』
『眠狂四郎 無情控』
『眠狂四郎 京洛十番勝負』
ほか多数
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魔界都市新宿
シリーズ
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菊地 秀行
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この人は長編よりも掌編や短編向きだと思いますね。
お奨めは『魔界都市ブルース』。
魔界都市「新宿」を舞台に人捜し屋、秋せつらと、
依頼人たちの織りなす人間(人情?)ドラマ。
ほかにも『バンパイアハンターD』なんていうのも推奨。
バイオレンス&アダルト色よりも
モダンホラー色の方が強くなってきた菊地秀行は
女性にもお勧めです。
せつらとメフィストの魔界都市もの、
バンパイアハンターシリーズと、
闇ガードシリーズはうちに全て揃っています。
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『魔界都市「新宿」』
『魔界医師メフィスト』
『夜叉鬼伝』
『死人騎士団』(長編ではこれが一番だと思う)
『バンパイアハンターD』
などなど、ほか大多数
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異形コレクション
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井上 雅彦 監修
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20数人の作家が綴る、書き下ろしホラーアンソロジー。
『変身』『グランドホテル』など、
各巻ごとにテーマが決められており、
かなり楽しめる本です。
2001年秋現在、出版社が変わり、
15 (廣済堂文庫) + 4 (光文社文庫) + 4 (別巻) 冊が出版されています。
厚みのある短編集、通勤向けかもしれません。
但し、売っている書店が限られます。
何故か、キヨスクとコンビニでよく見かけます。
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『ラブフリーク』『侵略!』『変身』『悪魔の発明』
『水妖』『屍者の行進』『チャイルド』『月の物語』
『グランドホテル』『時間階段』『トロピカル』『GOD』
『俳優』『世紀末サーカス』『宇宙生物ゾーン』(廣済堂文庫)
(以下、光文社文庫)
『帰還』『ロボットの夜』『幽霊船』『夢魔』
『玩具館』
以下続刊
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チェーザレ・ボルジア
〜あるいは優雅なる冷酷
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塩野 七生
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中世イタリアの歴史物。
「イタリア統一」を目指したチェーザレ・ボルジアの生涯を描いた歴史浪漫。
面白いです。
まるで見てきたかのような世界観・人物描写は秀逸。
予備知識は不要、容易に感情移入できる一冊。
英雄の生涯。男性が読んだ方が面白いかも。
(2001.11.25)
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『海の都の物語』『ローマ人の物語』等多数
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世界の終わりという名の雑貨店
〜『ミシン』より
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嶽本 野ばら
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“ねぇ、君。雪が降っていますよ。
世界の終わりから出発した僕達は、
一体、何処に向かおうとしていたのでしょうね。
今でも全身をVivienne Westwood で固めた君の申し訳なさそうな、
少しおどおどした姿を、僕はくっきりと想い描くことが出来ます。”
この冒頭を読んで「すごい」と思った。
今読み返しても「すごい」としか言いようがない。
静かで、優しくて、哀しいラブストーリー。
純粋で無垢に生きることには心惹かれます。
しかし、その生き方は「現実」をありのままに受け止め、
折り合いを付けて生きることとは正反対の道であり、
何処かに破綻の影を見ることができます。
儚く壊れやすいが故に、綺麗だと思えるのだと、
己が純粋であり続けられないことを知っているからこそ、
美しいと感じられるのだと、そう思います。
「憧憬」と「現実」は二律背反。
此方に引き戻すことも、共に進むこともできないのであれば、
踏み込むべきではないのかもしれません。
その事実を知るが故に、主人公の想いを理解し、共感し、
こんなにも心を揺さぶられるのではないでしょうか。
作者の今後に期待したいですね。きっと凄い作家になります、この人は。
…ちなみに、この映画は見ない方がいい…と思います。
(2002.10.06)
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『鱗姫』『ツインズ』『下妻物語』等
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